東京・調布の注文住宅は小野寺工務店

おかげさまで創業66周年

フリーダイヤル0120-405-233(月-土/9:00〜18:00)

月刊小野寺工務店【Monthly Onodera】

「見どころが多すぎて困る!I様邸の完成写真を大公開!」と「熊も怖いけど、アメリカカンザイシロアリも怖い」の巻/2025年10月号

Date:2025年10月31日 |

思い起こせば、今からちょうど2年前の10月。I様邸の打ち合わせが始まってから、あっという間の2年でした。そしてついに――I様邸が完成!今回は完成写真をご紹介します。見どころが多すぎて、写真の選定には本当に悩みました。ぜひ最後までご覧ください。ちなみに今回は、「アメリカカンザイシロアリ」のお話も少し。熊も怖いけれど、このシロアリもなかなかの恐怖です。

 

目次
1.西東京市・I様邸(鳥さん部屋と円形洗面室のある家)
2.三鷹市・O様邸(家族全員の個室がある注文住宅)
3.小金井市・T様邸(回遊動線の注文住宅)

 
 

◎西東京市・I様邸(鳥さん部屋と円形洗面室のある家)
 

ちょうど2年前の10月に設計の打ち合わせが始まったI様邸。打ち合わせに1年、そして工事にも約1年をかけ、先日ついに無事完成いたしました。というわけで今回は、できたてほやほやのI様邸の完成写真をご紹介します。見どころいっぱいのお家で、写真を選ぶのが大変でした(汗)。

 

まずは外観から。あずき色の塗り壁と、逆コの字型の意匠デザインがI様邸の特徴です。この写真は真北から撮影したもので、I様邸の敷地の南東側には竹林、南西側には緑豊かな公園が隣接しています。竹林と公園の緑をいかに取り入れるかが、I様邸のプランニングの大きなポイントになりました。

 

別角度から見たI様邸。1階の庇と2階の屋根の軒天には、どちらもウェスタンレッドシダーを使用しています。

 

玄関は道路から見て建物の裏側にあります。公園の木々と竹林に囲まれた「緑のトンネル」をくぐり抜けて、玄関へ辿り着くようなアプローチです。
無垢材を横張りにしたステキな玄関ドアは、株式会社コシヤマさんの「MOKUGEI -木鯨-」。高気密・高断熱仕様の国産木製玄関引き戸です。

 

玄関を入ると、目の覚めるような濃いピンク色の壁が正面に現れます。ここはハーフオープンスタイルの洗面室で、ピンクの壁はジョリパッド塗りで仕上げています。
天井の縦格子は、月刊小野寺工務店2025年6月号「エネルギーを使い果たした半澤監督の巻」で紹介した、あの重量級の造作縦格子です。ステキな仕上がりで、現場の頑張りが報われました。


 
玄関ドアを背にして屋内を見たところです。広めにとった土間が、I様邸の特徴のひとつです。写真右側に並ぶ化粧柱の向こうには、ダイニングとキッチンがあります。

 

I様邸のダイニングとキッチン。椅子代わりのベンチは、キッチンのカウンター台とあわせて、家具屋さんにオーダーして作ってもらっています。キッチンとダイニングを仕切る濃いグレーの壁も、ピンクの壁と同じジョリパッド仕上げです。

 

ダイニングの窓側には、オウムさんたちのプレイルームがあります(I様は合計4羽、2羽のオウムと2羽のインコをペットとして飼われています)。
右側の黒いアイアンのバーと真ん中の球形の吊りものはオウムさんたちの止まり木。左側のアイアンバーは、I様ご家族が使う懸垂用のバーです。鳥と人、種族をこえた団欒のスペースになっています。

 

I様邸のキッチンは、イタリア製の「バルクッチーネ」。存在感があって、とてもカッコいいです。

 

ダークブラウンのキッチンカウンターと収納棚は、家具屋さんに製作を依頼したオーダー品です。バルクッチーネの重厚な佇まいに負けないよう、国産の上質の木材を使って、しっかり丁寧に作っていただきました。

 

場所を移動して、玄関土間の横にあるストレージルームです。正面の壁は、有孔ボードを仕上げ材に使っています。左側の4つ並んだ窓からは、隣のオウムさんたちの部屋を覗くことができます。なんだか、動物園のバックヤードみたいでワクワクしますね。

 

こちらは玄関横にある洗面ルームの内側です。円形の空間の真ん中には、Ω型の造作洗面台を設置しています。

 

この洗面台は、タイル職人さんによる渾身の作品です。1センチ角のタイルを曲線に合わせてひとつひとつカットし、丁寧に貼り込んでいます。なんというか、住宅設備という枠を超えて、ちょっとした工芸品のような存在感です。

 

では、2階に上がっていきましょう!

 

階段を上がった先には、ちょっと面白い仕掛けがあります。雑誌棚を造作していますが、実はこれ、書斎に入る隠し扉になっているのです。

 

開けるとこんな感じ。ちょっとワクワクしませんか?

 

2階廊下です。スモーキーピンクの壁は、ここもジョリパッド塗りで仕上げています。正面に見えるのは主寝室です。

 

折り下げ天井を採用した主寝室。廊下と同じスモーキーピンクが色鮮やか。インナーバルコニーの向こう側に、隣接する公園の樹木が見えていて、なんだかどこかの高原ホテルの一室のような雰囲気ですね。

 

緑いっぱいのインナーバルコニー。紅葉や新緑の季節が楽しみです。こちらの壁もスモーキーピンクのジョリパッド仕上げにしています。壁の色をそろえているので、内と外が自然につながった空間に感じられます。

 

インナーバルコニーの窓は全面開放可能です。公園にムササビがもしいたら、家の中に飛び込んできそうです。右側に少し見えているのは浴室の窓です。このインナーバルコニーは浴室からも出入りできるようになっています。

 

こちらが浴室。インナーバルコニーに面していて、まるで露天風呂のような雰囲気。ユニットバスではなく、造作の在来浴室です。2階に在来浴室を設置するにあたり、水漏れ対策として屋上プールなどに使われるFRP製の大型パンを浴室全体の受け皿として採用しています。
※詳しくは「月刊小野寺工務店 2025年3月号『屋上プール用の特注FRP製防水パン登場!』」で紹介しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

 

浴室の写真をもう一枚。壁には無垢のサワラ材を貼っています。サワラはヒノキの仲間で、ヒノキより水に強く、昔は風呂桶や飯びつによく使われていました。

 

最後にちょっとした造作をご紹介。下の写真は玄関土間に造り付けた飾り棚です。I様から「ダイニングテーブルをオーダーした会社さんから一枚板の切れ端をもらったんだけど、何かに使えませんか?」というお話があり、それなら…とご提案したのがこの飾り棚。
絵を飾るのか、置物を置くのか、植物を置くのか?個性的なI様が、どんな風に飾られるのか、次回お伺いするのが楽しみです。

 

以上、i様邸の完成写真のご紹介でした。「施工事例集」では、こちらで紹介しきれなかった写真も多数掲載しています。ぜひご覧ください。

 
 

◎三鷹市・O様邸(家族全員の個室がある注文住宅)
 
O様邸はいよいよ完成間近。仕上げの段階に入っています。
 
こちらは吹き抜け部分。壁紙を貼るために組んだ内部足場も、もうすぐ解体予定です。完成が近づくにつれて、現場がどんどんスッキリしていきます。

 

子ども部屋の壁紙もきれいに完成。ドアは当社標準仕様のタモ材を使った造作建具で、木目がやさしく、洋室にも和室にもなじみます。なお、写真のドアは高さ2400ミリの特注ハイドアです。

 

建具と同じタモ材で製作した収納家具が現場に届きました。これはキッチン背面に設置するカップボードです。さっそく取り付けていきます!

 

取り付け完了!カップボードの間に見える台形の通路、その先は階段下を利用したパントリーです。ちょっと珍しいレイアウトですが、意外に動線もスムーズで便利なんです(ちなみにこれは、無駄な空間をできるだけなくそうという設計士のアイデア。なかなか斬新ですよね!)。

 

さて、話は変わってこちらの写真。O様邸の雨樋に、町内スピーカーのようなものが付いていますが…これ、何だと思いますか?

 

正解は、防犯カメラを取り付けるための台座です。本来は外壁に取り付けることが多いのですが、「せっかく高気密仕様の家を建ててもらったので、できるだけ壁に穴を開けたくない」というご主人のご要望により、雨樋に取り付ける方法を採用しました。

 

ちなみに矢印の金具は、外水栓を壁に固定するための金具です。丸い雨樋用の固定金具はいろいろあるのですが、四角い雨樋用となるとほとんど市販されていません。仕方なく板金屋さんに特注しようとしていたところ、スタッフMが「もしかして外水栓の金具が使えるかも?」とひと言。試してみたらまさかのシンデレラフィット!
「Mさん、すごい!Mさん史上最大の功績ですね!」と職人さんから言われて、「褒められたのか、バカにされたのか…」とちょっと苦笑いするMでした(笑)
 
 
 

◎小金井市・T様邸(回遊動線の注文住宅)
 
前回上棟の様子を紹介したT様邸。工事は順調に進んでいます。
 
こちらは上棟翌日のT様邸。普段ならこのタイミングで耐力面材の施工に入るのですが、今回はその前にひと手間。

 

それは、家の構造体全体に防蟻剤を塗ることです。小野寺工務店の標準仕様では、地面から1.5メートルの高さまでボラケアという防蟻剤を塗るのですが、T様邸ではご希望により、構造躯体全体に塗布します。理由は、アメリカカンザイシロアリ対策。
 
ヤマトシロアリやイエシロアリなど日本に昔からいるシロアリは、湿った土の中で生活していて、蟻道を作りながらゆっくり家の中に侵入してくるので、地面から1.5メートルまでの防蟻処理で十分です。
 
ところが、アメリカカンザイシロアリは乾燥に強く(名前の「カンザイ」は乾材の意味)、窓から飛んできて、2階の構造材の中に巣をつくることもあるのです。被害はまだ全体の0.5%ほどでエリアも限定的ですが、少しずつ増えてきています。今後はT様邸のように構造躯体全体に防蟻剤を塗るのが、スタンダードになる日が来るかもしれません。
 
というわけで、2階の構造材にボラケアを塗る職人さん。

 

天井裏にも、もちろんしっかり塗っていきます。

 

日付が進み、防蟻処理と耐力面材の施工を終えたら、次は気密施工です。小野寺工務店の気密施工は、ゴールドコートという乾くとゴムのようになるネバネバの防水塗料を、家全体に隙間なく塗って行います。
 
まずは耐力面材の継ぎ目にジョイントテープを貼り、その上からゴールドコートを塗り重ねます。ジョイントテープは伸縮性があるため、地震で耐力面材がずれても破れたりせず、しっかり継ぎ目を塞いでくれます。

 

耐力面材の継ぎ目をジョイントテープとゴールドコートで完全に塞ぎました。

 

次は窓サッシまわりの気密施工。ここも隙間ができやすい場所なので、ジョイントテープを使って、念入りにゴールドコートを塗っていきます。

 

窓サッシと壁材の継ぎ目も、ばっちり密閉。

 

家の壁には換気扇や24時間換気システムのダクト、エアコン、電気配線の管など、大小さまざまな穴があります。こうした部分も気密の弱点になるので、念入りに施工しておきます。

 

最後に家全体にゴールドコートを塗って、気密施工完了。ゴールドコートは最終的に二度塗りで仕上げます。気密施工が終わると、次に断熱工事が始まります。断熱工事の様子は、また来月のブログでレポートしますのでお楽しみに。

 

(続く)

 

アーカイブス

このページのトップへ