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「完全分離型の二世帯住宅。杉並区K様邸の完成写真大公開!」と「気密測定には減圧法と加圧法がある」の巻/2023年5月号

Date:2023年5月31日 |

完全分離型の二世帯住宅、杉並区のK様邸が完成しました。完成写真を撮ってきましたので、早速ご紹介したいと思います。また、T様邸で行った気密測定についても詳しくレポートしています。

目次
1.杉並区・K様邸(変形地に建てる完全分離の二世帯住宅)
2.三鷹市・S様邸(シンプルな2階リビングの家)
3.西東京市・T様邸(パッシブハウス認定を目指す家)
4.調布市・I様邸(本棚いっぱいリビングの家)

 

◎杉並区・K様邸(変形地に建てる完全分離の二世帯住宅)

完成写真の紹介を始める前に、完成直前の工事の様子を少しだけ紹介させてください。

断熱材の切れ端を使ってK様といっしょに郵便受けの取り付け位置を決めている図です。郵便受けの高さはどのお客様もけっこう悩まれるポイントです。


 

キッチンの袖壁にマグネットシートを仕込む職人さん。段差をなくすために塗ったパテをドライヤーで乾かしています。この場所のマグネットシート、かなり便利です。


 

K様ご家族のお子様たちはまだまだ小さいので、スケルトン階段のすき間から落ちてケガをしないよう、落下防止用のネットを張っておきます(写真では踊り場だけですが、最終的に階段全体にネットを張っています)。スケルトン階段の開放感が少しだけスポイルされますが、子供たちが小学生になるまでの我慢です。


 

ではここから完成写真を紹介していきたいと思います。まずはK様邸の外観。1階が親世帯、2階が子世帯の二世帯住宅です。


 

K様邸は完全分離型の二世帯住宅なので、玄関が2つあります。ちなみに完全分離型というのは、玄関、リビング、キッチン、浴室などが2つずつあり、生活空間が完全に分離されている二世帯住宅のことをいいます。


 

子世帯用の玄関です。変形地に多角形の家を建てたので、玄関土間の形が複雑です。タイルの施工にいつもの倍の時間がかかりました。


 

階段を上がって、子世帯のリビングです。吹き抜けのある開放的な空間です。ブルーグレーのアクセントウォールのあるスペースは書斎です。壁の中に格納されている3連戸によってリビングと仕切ることができます。


 

書斎から撮影したLDK。


 

子世帯の子供部屋。将来2つに間仕切れるようにドアを2つ付けています。


 

子世帯のトイレスペースと手洗いのスペース。写真で見るとひとつながりの空間に見えますが、実際はトイレ本体の後ろに壁がある別々の空間です。ミニサイズのトイレ収納は造作しています。


 

手洗いスペースをロフトに上がる階段から見下ろすように撮った写真。三角形のデッドスペースを有効活用しています。


 

ロフトに上がるスケルトン階段(落下防止用のネットをいったん取り外して撮影しています)。


 

若草色のタイルカーペットを貼ったロフトスペース。若草色が目に優しいステキな空間になりました。


 

再び1階に戻って、今度は親世帯の玄関ホールです。


 

親世帯のLDK。子世帯と同じ位置に書斎を作っています。写真中央の棚はお仏壇用のスペースです。上部の照明カバーは障子紙を利用して造作しています。


 

書斎の奥、階段下のスペースに床下エアコンを設置。床下から家全体をじんわりと暖めてくれます。


 

書斎の中からLDKを撮影。この角度からだと壁の中にスッキリ納まった3連戸がよく見えます。この3連戸は壁と同色にしたので、格納している時は戸袋の木枠の間に白い小口が挟まったように見えます。


 

3連戸を閉めた時の写真も載せておきます。


 

親世帯の洋室。植栽のグリーンが目に優しいですね。


 

以上、K様邸の完成写真でした。「施工事例集」ではこちらで紹介した写真以外にもたくさんの写真を紹介しています。ぜひそちらもご覧ください

 

 

◎三鷹市・S様邸(シンプルな2階リビングの家)

この間、打ち合わせに来られたお客様に、「土地の形状的にS様邸に興味があるのですが、S様邸のレポートだけ写真が少なくないですか?」と言われました。

す、す、鋭い!実はそこには理由があり、以前にこのブログにも書きましたが、S様は小野寺工務店の家づくりを手伝ってもらっているエアコン工事の業者さんで、いわば家づくりの作り手側の人。そのため水道工事や電気工事など、自分で職人さんを手配して工事をされている部分も多いのです。自社で手配していない職人さんの仕事ぶりをパシャパシャ写真に撮るのは失礼なので、それで写真が少ないのです。同じ疑問をお持ちの方がいるかも?と気になり、説明させていただきました。

さてさて、そんな内輪話はさておき、工事レポートを始めたいと思います。下の写真はS様邸のLDK。キッチンの背面が銀色なのは、全面にステンレスの平版を貼っているからです。S様の知り合いの板金職人さんのアイデアだそうですが、無垢のアカシアの床材とステンレス壁の組み合わせは意外にアンティークな雰囲気があり、面白いと思いました。


 

壁面にボーダータイルをあしらったキッチン。背面収納はすべて造作しています。収納は基本的に造り付けにして、家具はできるだけ置かないというのがS様邸のコンセプトのひとつです。


 

リビング上部のロフトも完成しています。


 

というわけで、いつもとは少し違った進め方のS様邸が無事に完成いたしました。下の写真はお引き渡しの際に撮った記念写真です。一番左が小野寺社長、その横がS様ご夫妻、一番右が当社スタッフの小林です。いつもお引き渡し前にカメラマンさんに依頼して完成写真を撮るのですが、今回は完成するやいなやお引越しをされたので、写真は撮れませんでした。う~ん、残念!


 

 

◎西東京市・T様邸(パッシブハウス認定を目指す家)


先月、建物外側の付加断熱工事(外断熱工事と呼ぶ会社も多いです)の様子を紹介したT様邸。今月は、建物内側の充填断熱工事の様子からレポートを始めたいと思います。

現場に搬入されたセルロースファイバー。これからこれを壁の中と屋根の内側にビッシリ隙間なく充填していきます。


 

赤い機械がセルロースファイバー吹き付けマシーン。この中にセルロースファイバーをほぐして入れるとホースの先から繊維状になったセルロースファイバーが勢いよく吹き出す仕掛けになっています。


 

セルロースファイバー充填中の職人さん。屋根の下には専用のシートを貼り、そのシートに小さな穴を開けて、そこから吹き込んでいきます。


 

充填完了!壁に吹き付けたセルロースファイバーがなぜパラパラと落ちてこないかというと、わずかな糊成分と霧状の水を混ぜ合わせて吹き付けることで、固着させているからです(ウォータースプレー方式といいます)。


 

セルロースファイバーの上から、ほんのわずかな隙間もないように、ドイツ製のWURTH(ウルト)という気密シートを貼っていきます。


 

気密シートを貼り終えました。これにて充填断熱工事および気密施工が完了です。


 

断熱工事と気密施工が終わると、次は気密測定です。いつもは減圧法で気密測定を行うのですが、パッシブハウス認定を目指すT様邸の場合は、減圧法だけではなく加圧法でも気密測定を行います。

まずはいつもの減圧法での気密測定です。写真のバズーカのような機械(ドルフィンといいます)で家の中の空気を外に出し、屋内を減圧します。減圧を止めると家の外からドルフィンを通って空気が流れ込んできます。すき間だらけの家の場合は、いろんなところから空気が入ってくるので、ドルフィンの中を通る空気の量は少なく、逆にすき間が少ない(気密性の高い)家の場合は大量の空気がドルフィンを通って入ってきます。ドルフィンを通る空気の量を調べることで気密性能を測る仕組みです。 


 

続いて加圧法での気密測定を行います。ドルフィンの向きを先ほどとは逆にして、家の中に空気をバンバン入れていきます。一定の数値になるまで加圧を行い、その後加圧を止めると、屋内の空気が家の外に出ていきます。今度はその時の空気の流量を調べて気密性能を測ります。


 

どうして減圧法と加圧法の両方で測るのかというと、パッシブハウス認定に必要だから、というのが答えなのですが、なぜ必要かというと、窓の開く方向(内開きか外開きか)によって、減圧法と加圧法で異なる値が出るからです。

(ここからは少しややこしい話になるので、興味のない方もしくは興味はあるけど読むのは面倒だなぁという方は、次の写真の手前まで飛ばしていただいてもかまいません)

(説明に戻ります)

外開きの窓の場合は、外から押すと窓と窓枠が密着し気密性が上がります。逆に内側から強い力で押すとわずかにすき間ができ気密性が下がります。そのため外開きの窓の多い家の場合、家の中の空気を薄くする減圧法の方が加圧法より良い数値が出ます。逆に内開きの窓が多い家は同じ理屈で、加圧法の方が減圧法よりよい数値になります。そんな窓の仕様と測定方法によるバラつきをなくすために、両方の方法で測ることをパッシブハウスジャパン(パッシブハウスを認定する団体)は求めているというわけです。

以上、ややこしい話で申し訳ありません。読んだけどよくわからん!という方は一度事務所にお越しください。図に書いてもっともっとわかりやすくご説明いたします。

気密測定の話が長くなりましたが、もうちょっとだけT様邸の工事レポートにお付き合いください。

筋交いの前で物思いに耽る電気工事の職人さん。どうしたのかな?と覗き込むと…


 

コンセントボックスをパズルのように重ねているのでした。実はここには、テレビ用、ルータ用、ゲーム用、HDDレコーダー用、オーディオ用、太陽光発電のコントロールパネル用など、たくさんのコンセントを設置する必要があり、裏側の配線も含めてどういう配置がベストか、うんうん唸りながら考えているのでした。(筋交いが邪魔をして、なかなかベストの配置が決まらないみたいです)


 

ちなみに最終的にこんな配置になりました。


 

下の写真は、洗面カウンターを取り付ける場所に貼った大工さん向けのメモ。洗面カウンターの下に追加で棚を付けることになったので、すぐに現場に行って貼ってきました(もちろん口頭でも伝えます)。作業開始前だと、壁の中に補強材を入れてスッキリ仕上がるのですが、作業がある程度進んでしまうと、L字アングルで支える形になり、造作の美しさは多少損なわれます。工事途中の仕様変更は、ある意味、時間との勝負だったりします。


 

これも同じです。玄関にカウンターを追加で取り付けることになったので、急いで現場に行って貼ってきました。これも工事が進んでしまうとL字アングルでの取り付けになってしまいます。


 

これはミラーの上辺と横のニッチの上辺の高さをちゃんと合わせてね!という指示書きです。ミラーの大きさが途中で変更になった場合など、こうして伝えておかないと高さがずれてしまいます(作り手の美意識の問題です。ずれていても実用上は問題ありません)。


 

 

◎調布市・I様邸(本棚いっぱいリビングの家)

基礎工事から上棟へと、家づくりは順調に進んでいます。

基礎の立ち上がり部分の型枠を組んだ状態です。黄色い矢印は基礎の側面を覆う断熱材。あらかじめ型枠の中に仕込んでおくことで、断熱材と建物基礎が一体化します。


 

一部の立ち上がりは円柱形にします。この方が空気の流れがスムーズで床下エアコンがよく効きます。円柱形の立ち上がりは紙製のボイド管を型枠代わりにして成形します。


 

コンクリートの打設が始まりました。2人一組で撹拌しながら流し込んでいきます。


 

しっかりコンクリートが乾いたら、型枠を外していきます。側面の断熱材はキズがつきやすいので、このあと専用の保護塗料とモルタルを重ね塗りして、かっちり固めておきます。


 

基礎工事の次はいよいよ上棟です。でもその前に、足場を組んでおく必要があります。


 

建物の土台も組んでおきます。黄色矢印のところを見てください。先ほど基礎側面の断熱材は保護塗料とモルタルで固めると書きましたが、その作業がしっかり終わっています。


 

上棟が始まりました。晴天の上棟日和です。


 

右手前のスーツ姿の男性2人は、I様邸を設計した建築士と事務所のスタッフさんです。自分たちが設計した家が組み上がっていく様子をじっくり観察しています。


 

お昼休み。建築士さんたちもいっしょに食事中。


 

I様の奥様も上棟の様子を見に来られました。小野寺社長がなにか説明しています。


 

そして上棟完了です!


 

最後に、上棟の日にI様からいただいた手ぬぐいの写真を載せておきます。スタッフひとりひとり、柄の違う手ぬぐいをいただきました。お心遣いありがとうございます!いい家作ります!


 

 

(続く)

 

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